カテゴリ:絵本( 10 )

ぼくのポチブルてき生活

                         
                             きたやまようこ作

絵をかいたり
詩をかいたり、たのしいことは
いっぱい あるけど、

いぬのポチブルにとって、
いちばんすてきなことは
てがみをかくこと。

これが ぼくの ちょっとぜいたくな
ポチブルてき生活。
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その日 ひるねをしていたら、ぼくのみみのそばを
風が なにか言って とおりすぎた。

あわてて よびとめたけど、風は
気がつかなかったみたい。

そこで ぼくは、風に てがみをかいた。

かぜさま
はじめて おたよりします。
ぼくは、ほんのさっき あなたがとおりすぎた いぬ
です。

なまえは、ポチブルといいます。
ぼくの みみのそばで なんていったの?
あんまり はやくて ききとれませんでした。

いちど ゆっくり、ぼくのうちに
あそびにきてください。
おちゃを よういして おまちしています。
                        ポチブル

 つぎの日、まどをあけたとたん、
かぜからの へんじが まいこんだ。

ポチブル さま
おてがみありがとう。
わたしは・・
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by orihime300 | 2018-06-03 23:04 | 絵本 | Comments(0)

七つのぽけっと

七つのぽけっと より
「あおいビーだま」 あまんきみこ  作
           佐野洋   画


「こっちだよな。」
たけしくんが 野原で さがしものを している。
「えーと、 この へんだっけ。」
あつい 真夏。背なかには、まだ ランドセルを 背負ったまんま。

「やっぱり ここらかなぁ。 こっちのほうに
ころがったのに。」
 たいせつな 青いビーだま。 だいすきな よしこちゃんに
やっと もらった あの たからもの。

 あんなに しっかり にぎっていたのに、 ころんだとき、
たけしくんの 手のひらから とびだして しまった。

 ちっ。ころんだとき、うった ひざは いたいし、
のどはかわいて からからだし、たけしくんの くちは、
すっかりへのじ。

(そうだ、水を のんでから、もいっかい こよう。)
そう おもいなおして 背をのばしたとき、くさの あいだに、
おや、みょうなものが みえた。
みどりいろの ちっこいもの。

「へぇ、かっぱ。」

たけしくんは ひろいあげた。
ごむで できてる ごむかっぱ。
 そいつときたら、たけしくんの 中ゆびぐらいの
大きさしかない。

「なぁんだ。おまえも げんきの ない かおだな。」

さがり目が、 しょぼん。
なんだか 泣きつかれたみたいな かお。
ふるくって よごれているし、 あたまの 上の しろいさらは
土が ついて、からからの ちゃいろ。

「よしよし」。
すぐ そばを ながれている 小さい 川をみながら
たけしくんは つぶやいた。
「かっぱって、あたまの さらが かわいちゃ、
どうにもなんないんだよな。」

川の ふちに いって、しゃがんで、かっぱを
ながれに つけてやった。
ここの 水、すこし、よごれているけどさ、
まぁ、がまんしなよ」

そう いいながら、かっぱを あらってやった。
すると、手のひらが くすぐったくなったんだ。
あららら。

手のひらを ひろげると、きれいに なった かっぱが、
ぱちぱちっと まばたきを した。
かと、おもったら、むきを かえて とぽん。

川の中に、とびこんで しまったんだ。

「へんだねぇ。たしかに、ごむのかっぱだったのに。」
目を 大きくして 川の そこを のぞいて みたけど、
「なぁんにも みえないや。」

と、その とき、きゅうに 日ざしが、すうっと くらく
かげって、ざぁっと、にわか雨が ふりだした。
 ひゃぁ、 ひどい 雨。 すごい 雨。
たけしくんは、びっくりして、かけだした。

やがて、たけしくん、ぽたぽた しずくを
おとしながら アパートの二かいに あがっていった。
 しずくを おとしながら 二かいの つきあたり、
201号しつの かぎを、 じぶんで あけた。

おかあさんが かいしゃに いって はたらいているから
たけしくんは、いつもそうしている。
 へやに はいると、あしあとを つけながら、
だいどころに いって 水をのんだ。

それから、ランドセルを ほうりだすと、かわいた
タオルを ひっぱりおろして かおを ごしごしふいた。
そのタオルで ついでに、 うでも ふくも、 

あしも ぺタぺタふいた。

 すると、へんに しずかに なった。
そして ざぁざぁ いう おとが、なみでも ひくように、
すうっと きこえなくなった。
「雨が、 やんだんだ。」
ふりむいたとたん、たけしくんは いきを のんだ。

まどの そとに なにか いる。
みどりいろで ちっこいもの。 うごくもの。
・・・そいつが、たけしくんの ほうを むいて、
ちいさな 手を ふっている。

水かきの ついた 手。
(かっぱ! さっきの やつだ! はあん。
まどを あけてくれって いってるんだ。)

たけしくん、あわてて まどを あけてやった。
すると、かっぱったら、ひょいと まどぎわに たって、
ぺこっと おじぎを したのさ。
「さっきは ありがとよ。」

それから てれたみたいに あかくなって、
くふっと わらった。
「いままでの 人、だあれも おれに 水を
かけてくれなかったんだよ。ほんと。
・・・ああ、やっと、うちに かえれるよ。
おっかさんが よろこぶよ。

それから、あのガラスだま・・・、あおくひかっているやつ、
あおぎりの下に ころがっていったよ。
もうすこし、さきだ。

おれ、ちゃんと、この、目でみてたんだから。」と、
いって その かっぱ、ビーズぐらいの目を、
くるっとまわした。
「じゃあな。 それだけ。」

それから、ひょいと むきを かえ、およぎだした。
まるで みどりいろの こがめみたいな かっこうで。

みるみる、みどりの てんに なって むこうに
きえると・・・、あたりがまぶしく あかるくなった。
いっぺんに はれてきたんだ。
「・・・・・。」

たけしくん、目を 三ども こすった。
その とき、すきとおった かぜが ざあっと ふいて、
かえでの みどりが きらきらと ひかって ゆれた。

たけしくんが はしっていく。
「あの かっぱったら あかくなったりして。
うふふ。 ちっこかったなあ」

わらい わらい はしっていく。
え?
どこにいくのかって?

もちろん、さっきの のはらまでさ。
だいすきな よしこちゃんに もらった あの あおい
ビーだまの あるばしょが わかったんだから。

おしまい

「七つのぽけっと」あまんきみき作・佐野洋子画
理論社 ¥1100


 
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by orihime300 | 2018-03-05 18:58 | 絵本 | Comments(0)

ピンクの神様

「ピンクの神様」
七編からなる短編集。 その一つ、

「卒業」
あらすじ
女性消防士の物語。
ひっきりなしに訓練が続き、体はくたくた。
心のよりどころは、高校時代の同級生たちと過ごすひとときだったが、
関係がだんだん変化しはじめたことに焦りを感じている。
そんな中、火災現場で大失敗をしてしまう。


ヾ(*゚ェ゚*)ノ
女性消防士である寿々は、親友たちとの関係が変わりつつあることへの
とまどいと焦りを感じている。

 不規則な生活で時間が合わない上に、それぞれがバイトや
大学生活に忙しい。

皆は 自分ほど、一緒にいることを望んでないのではないかと不安で寂しい
ーそれは、人には言えない気持ちだった。
 自分で抱えていくしかない。
そうそうきっぱりとは出来ないけれど、今しなければならない事をするしかない。

そうまっすぐに考え、消防士としての失敗を乗り越えようと一人がんばっていく様子が、
けなげでぐっとくる。 自分であること、人の生活を尊重してつきあって
いくこと、変わっていく環境を受け止めていくこと。

ひとつひとつ手探りしながら、一生懸命に答えを見つけていく姿は心洗われる。
                              金原瑞人解説

*過去、私自身は、そこまで「友人」を深く意識したことはなかった。
昔の自分なら、「へんなの!・・」で、あっけらかんと終わったかもしれない。
深いつながりなんて 疲れるし・・、淡々が一番と。

しかし、今は たくさんの本と出合った分、確かに視野が広がってきた。


黒や茶、紫、藍色、濃いグレーなどの、暗い色に対しても、
昔は 強い偏見をもち、排斥してきたが、

たくさんの本と出合い、疑似体験することで 新たな自分の世界が大きく広がった。

みなさんも、是非素晴らしい本と出合えますように!!
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by orihime300 | 2015-08-04 12:23 | 絵本 | Comments(0)

心の森 作・小手鞠るい (児童書・6年生から)

父の転勤で、少年はアメリカの小学校に転向する。
少年の名前は響。 英語がわらかず、友達もいないので、最初は
とまどいながらも、新たな生活がはじまる。 ある日、家の裏庭に続く森で、
響は不思議な少女に出会う。

少女は何も話さず、笑顔で見つめるだけ。
 名前をたずねると、一輪の花を手渡す。 それが彼女の名前、ディジー。
その後も、響はディジーに会うようになり、森の動物とふれあいながら、
彼女の優しさに心ひかれていく。

だが、ディジーには、思いもよらない秘密があった・・・。


アメリカからも 森からも 遠く離れて、長い年月が過ぎ、
大人になったある日、

僕は、ふいに、理解したのです
ディジーが残してくれた、小枝と小石でつくったことばの続きを・・・。
わたしはいつも・・・・
・・・
・・・ここにいる。
 だからいつでも会いに来て。
会いたいときに、
会いに来て・・・

彼女はそう伝えたかったんだ・・。

*胸に強く残る、切なく 感動的な実話。
読み進めていくうち、とても優しい気持ちになる
多感な時期に、このように中味の濃い本にであうことで、
満たされる心、満たされる魂が培われるいくのだろう



本は絶大である。
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by orihime300 | 2015-07-16 17:07 | 絵本 | Comments(0)

あのとき すきになったよ (黛くみこ)

本音を言うと、この「絵」は、私の好みではない 。たぶん、私自身からは この絵本を手に

取ることは なかっただろう。  「推薦」されて、それならば・・・と、見ることにした。



学校で おしっこを もらしてから、みんなに「しっこさん」と呼ばれることになった女の子 (まりかさん)と、

かさまゆうこさんの お話である。



あの子と あったのは どこだっけ?

けんか したのは いつだっけ?

なんで なかよくなったんだっけ?

ちっとも 好きじゃなかったのに、

好きに なったのは なんでかなぁ・・・。



読んで見て、この絵本と 「出合えて本当に良かった」と感じた。(*^^)v 

こんな風に 絆って できていき、深まっていくんだ・・と。



* 絵本は子どもに生きる希望を与える!

こんな風に生きていけば良いんだ・・という智慧が満載されている

是非、お子さまに 見せて上げて ください
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by orihime300 | 2015-07-13 10:28 | 絵本 | Comments(0)

王子さまの耳は、ロバの耳

王子さまの耳は、ロバの耳 (ポルトガルの昔話)
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子どものない 王さまとお妃さまに、王子が生まれ、
妖精たちが 誕生を祝って贈り物をする。

ところが、三人めの妖精が、王子にロバの耳が生えるように、
そうすれば、いばることのない王子になるでしょうと、
口から出まかせをいったので、王子にはロバの耳が生えてくる。

困った王さまは、耳まですっぽりかくれる 帽子を王子にかぶせ、
これを秘密にする。

ある日、床屋が王子の髪を切りにきて、このことを知るが、
帽子の下に見たことを 人に話したら命がないといわれ・・・。

「王さまの耳はロバの耳」という題で有名だが、ちゃんとした内容は、
あまり知られていない。

お話を聞きなれない子や、小さい子でもよく聞き、王子に同情したり、
床屋のことを心配したり、結末にニンマリしたりと、
気持ちをはっきりと表情に出して反応する。

大きい子は、王子の最後のことばを しっかりと受け止めてくれる。

(5、6才から)

是非、お子さまに読んであげて下さい ♪\(*^▽^*)/
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by orihime300 | 2015-06-08 21:39 | 絵本 | Comments(0)

熊の皮を着た男 (グリム童話 より)

戦争が終わり、行くあてもない兵隊の前に、緑の服を着た悪魔が現れる。
悪魔は、七年間体を洗わず、髪もとかさず、爪も切らずに生きのびたら、
金持ちにしてやろう、だがもし
死んだら魂をもらうと、取り引きをもちかける。

暮らしに困っていた兵隊は、この取り引きに応じ、
悪魔が あてがった緑色の服を着、
熊の皮のマントをはおって、「熊っ皮」として世の中をめぐり歩く。

 ポケットに手を入れさえすれば、いくらでも金貨が出て来るので、
はじめは豪勢に過ごすが、やがて 醜悪さが目立つようになり、
人々に嫌われる。

四年目にある宿屋で、財産をなくし悲嘆にくれている老人に会い、
金を出して助ける。

老人は、自分の三人の娘のうち ひとりを嫁にと申し出る。 

上のふたりは熊っ皮の外見を見て相手にしないが、
末娘はいいなずけとなり、忠実に彼の帰りを待ち続ける。
 悪魔との賭け、可憐な花嫁との約束と なかなかロマンチック。

熊っ皮が試練の七年間をどう切り抜けるか・・・。

是非、お読みください。
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by orihime300 | 2015-05-10 12:52 | 絵本 | Comments(0)

のせてのせて

<のせて のせて>

北極駅から動物園駅まで 客を拾い乗せて 走り続ける電車。
運転手は亀。 次〃乗り込んでくる動物たちの豊かな表情に
つられて 笑顔になってしまう。 

絵を見ているだけで、親子の、
仲間の、友達の・・会話が漏れ聞えてくるようだ。

 親の、子を見る深い眼差しや 仲間たちとの親愛の情景は
 見ていて心が和み、  優しい気持ちが湧きおこる。

 小学低学年までは繰り返しこのような
 絵本に浸らせてやりたいと思う。

「人を思いやる人格」は、5歳までに 確率されてしまうと言われる。
重要な時期に虐待されて 育つ子はあまりにも哀れに思う。
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by orihime300 | 2015-03-07 10:13 | 絵本 | Comments(0)

となりのせきのますだくん  

<となりのせきのますだくん>  一月の絵本
                 武田美穂 作・絵

あたし きょう がっこうへ いけないきがする

だって あたまが いたいきがする
おなかが いたい きがする
ねつがある きがする

あたまが痛くなればいいのに
おなかが痛くなればいいのに
ねつがあればいいのに

でもやすまないのです。

「せんせいー みほちゃんが ずるやすしまーす」と
言いつけられる気がするから。

ますだくんは 自分の席と、美穂の席の分まで線を引き
「ここから出たらぶつぞ」ってにらむの
消しゴムの かすが はみだしたら イスを蹴るの。

あたし 給食のにんじんも 鳥肉も きらいなの
こっそりのこすと ますだくんは 大きな声で「いけないんだ」って言うの

あたし かけっこが にがて
なわとびが にがて
ますだくんは 大きな声で
「へたくそ  へたくそ  へたくそ  」と言うの
あたし さんすうが にがてなの
指をつかって けいさんすると
「10+11はどうすんだよ」ってわらうの

ますだくんが わたしの誕生日プレゼントの ピンクの
エンピツをおっちゃった

ショックで 消しゴムを なげつけたら びっくりして
それから にらんでた

わたしぶたれるんだ

やだな  やだな ドキドキ
やだな  やだな ドキドキ


かえりみち ますだくんが いきなり あたしのうでをつかんで
「このあいだはごめんよ」と言って あたしをぶった

かえりに「たしざんおしえてやろうか」
「いい いじめるから」。

〚増田君は美穂ちゃんが
好きなのです きっと。
世話を焼いてやりたいのに美穂ちゃんが拒否するのです。
だから、いじめたくなるのです〛

美穂ちゃんは、先生にも、お母さんにも相談しません
どんなに意地悪されても学校は休まない
しっかりものの美穂ちゃん がんばれ

作者の絵が心理描写に拍車をかけます
是非、お手に取りお読み下さい




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by orihime300 | 2015-01-30 13:12 | 絵本 | Comments(0)

おれはねこだぜ

9月の絵本

「おれはねこだぜ 」 佐野洋子絵・作
講談社 1000円

何よりもさかなが好きなねこがおりました
おひるにさばを食べたねこは 「さぁ ひさしぶりに今夜もさばをくうか」と
さばのことばかりをかんがえながら林を散歩していました

突然 うしろからねこの帽子をめがけてとんできました
帽子はころころころがり落ちました
ふりかえったねこはさばが林のなかを泳いでくるのをみたのです
「そんなことがあるもんか ここは海じゃないぜ」

さばは「きみはさばをくっただろう!」ときれいな声でうたいながら
にげる猫のあとを、すいすいおいかけてくるのです

「きみはさばをくっただろう!」
さばはきれいな声でうたいます

「きみはさばをくっただろう!」
ねこは にげて にげて 逃げまくりました 
「じょうだんじゃない おれはねこだぜ!」

林をぬけてまちのほうに走ります
ねこはぜいぜい言いました 〝あれはいったいなんだろう〟
ねこはもうくたくたにつかれました
とにかくどこかでやすみたかったので映画館に入りました

一息ついたねこはゆっくりとまわりをみまわすと
見わたすかぎり さばがすわっていました

映画館を飛び出し、〝おれはねこだぜ!〟 〝おれはねこだぜ!〟と
言いながらまちをぬけ 小石をけとばし林のなかに走りこみました

〝じょうだんじゃない おれはねこだぜ!” 
〝じょうだんじゃない おれはねこだぜ!”

ねこのぜーぜーという音だけが林のなかにひびきました
林の中はしんとしていました

あしもとに ねこの帽子がころがっていました
その帽子をかぶって、パイプをくわえると いつものとおりのねこでした
もういちど林の中をみわたしました

いつものとおりの林でした
ねこは しっかり立ちあがりました
「さて、ひさしぶりに今夜は さばでもくうか」と
ねこは又さんぽをつづけました

*佐野洋子の魅力ある絵の一枚一枚が
読者の目をくぎづけにします
追うものの心理、追われるものの心理

さかなの気持ちになって読み、「ニヤッ」。
ねこの気持ちになって読み「ゾクッ」・・。

子どもたちは 絵本画家の描いた 一枚々の絵から
喜怒哀楽の心を読み取り
やって良いこと 悪いことを掴み取ります

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by orihime300 | 2012-09-20 16:34 | 絵本 | Comments(0)